ヴェロキラプトルと闘うプロトケラトプス
1
ポイント!
作品番号
: 06-12271
制作年月日
: 2006.12.27
ファイルサイズ
: 35 X 49 cm / 350 dpi
画材
:
デジタルペイント
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[ 砂漠の死闘 ]
よく描かれる有名なシーンである。
プロトケラトプスに右腕を噛まれたヴェロキラプトルが、左腕を相手の顎に引っかけ、左足のかぎ爪で相手の横腹を切り裂こうとしている。息絶えるまで争い続ける
2
頭を、吹きすさぶ砂嵐が飲み込もうとしている。
この絵の元になった化石は、およそ
8300
万年前 (白亜紀後期) に実際に起こった中央アジアの一事件を記録したものとして、大変よく知られている。事件そのものをタイムカプセルのように生々しく伝えるこの化石は、まるで「時間の化石」のようだ。
この化石を見ると、先頃亡くなった動物写真家・岩合徳光氏の、スピッツベルゲン島の自然を記録した作品を思い出す。
それは、闘ったまま命を落とし、野ざらしの白骨となった
2
頭のトナカイの写真である。組み合った角は死んでもほぐれず、死後も闘い続けなければならない野生の過酷さを前にして、岩合氏は「そのすさまじさに心を打たれた」(小学館、写真集『野生』
1976
年) と書いている。
この
2
頭の恐竜には、一体何があったのだろう。ツンドラの気候にさらされたトナカイの骨はやがて風化が進み闘うことをやめるだろうが、この
2
頭は石となって
8000
万年を過ぎ、人の時代となった今でもなお博物館で闘い続けているのだ………。
【「寺越慶司の恐竜」(
2007
年) より 】
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